第一章 ≪アジアの共通語≫

 「お茶はアジアの共通語」と私はずっと思っています。
中国・台湾・韓国・マレーシアなど様々な国で、それぞれ特有の茶作りが発展し、自国で生産したお茶は、独自なオリジナルのその国の風土にあった、茶文化を育て上げました。
これに対して、コーヒー、ココアという飲み物は、先進諸国が植民地の上に発展させたもので、全く違う発展を遂げてきました。貧しいアフリカでは、たくさんの大自然の資源を犠牲にして、先進諸国の嗜好品のために、外替取得のために、一生懸命生産してきましたが、この生産に、自国の文化を一緒には、育てられてこなかった、との指摘もあります。

 お茶は違います。アジアの心です。

中国人にとってお茶は生活必需品です。
「開門七事件は、柴、米、油、塩、醤油、酢、茶」ということわざから、お茶は日常生活には欠かせない、毎日の必需品であることが分かりました。

中国茶は、薬用、食用から飲用に至るまでに、2000年以上かかりました。時代のニーズに合わせて変化しながら進化し続けています。中国茶と茶藝の進化の終わりはありません。これこそ、中国茶の楽しみです。

 空気のような存在であるお茶を、現代人の私たちは、もう一度心からお茶を見直してみませんか。祖先たちの知恵を拝借しながら、文化の伝承をしながら、健康から楽しみまで、親しい家族と友人と一緒にお茶をしましょう。
                                              
店主 林聖泰

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