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第三章 ≪茶人の心≫ | 華泰茶荘

第三章 ≪茶人の心≫

 一杯の良い茶とは何?
「天・地・人」、三者の良いコラボレーションによるものだと思います。産地と茶摘みと生産の、天候状況、土壌と茶園の管理、人間の技術と心に、「運」を加え、良いお茶が出来上がります。これは、生産者の努力です。茶藝師、ティーパーティーの主人、店主など、お茶を自ら入れる人にとって、いかに美味しいお茶を入れるかは、一番大切なことです。
茶器の選択、茶葉の分量、お湯の温度、蒸らしの時間、四原則はもちろん、外気の温度や湿度、入れる人の平和な精神状態、お客様の好みなども配慮しなければなりません。美味しく入れる技術プラス、心遣いは、お茶を入れる者の心です。正しい飲み方と礼儀を守って、美味しくいただくのは、大切なことです。主人に対して、生産者に対して、感謝の心を持たなければいけないと思います。生産者の「努力の心」とお茶を入れる主人の「和の心」と、お茶を飲むお客様の「感謝の心」の三つの心が合わさって凝縮された、一杯のお茶は、素晴らしいものだと思います。美味しいお茶を味わうのに必要なのは、厳しいマニアっぽいコメントより、心から自然と湧き上がる感謝の気持ちです。これは一杯の至福が生まれた瞬間だと思います。現代社会は、多くの人々が感謝の心を持てば、いろいろな無意味な紛争はなくなると思います。お茶の世界はけんかがなくて、「和」のみです。だから、「以茶会友 天長地久」。「茶でつき合う友は一生の友」。
店主 林聖泰

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