似水(水のように)
中国の古いことわざに「上善若水」という言葉があります。
人生も中国茶藝も、柔らかいときにはせせらぎのようにやさしく、強いときには滝のように力強く、水のようであるのが良いといえます。茶藝動作の中にも柔らかい落ち着きの部分と強い強調の部分があり、これによりリズムと表現したいイメージが構成されています。
しかし、この卒業は終わりではなく、ひとつの通過点にすぎません。中国茶をすべてマスターしたと満足してしまうのではなく、スポンジのようにたくさんの知識を吸収していくのはとても大事なことです。
「半瓶水響叮[口當]」(半分しか水の入っていない瓶は音がする→なまかじりの者ほど知識をひけらかす)
「水満易溢」(いっぱいになった水はあふれやすい)という言葉があるように、自分の器に50%の水でも100%の水でもよくありません。
常に70%の状態で、うぬぼれたりせず謙虚に、また吸収する気持ちを忘れずにコツコツやれば、誰でもこの道の第一人者になれると信じています。
私も皆様と同様に、まだまだいろんなものを吸収するつもりでがんばっています。
林 聖泰