2006春 台湾茶作り旅行記②

world_20060519

 朝6時、目覚めると台中の空は曇っていて、少しだけ不安を感じました。
そんな中、農家からの第一報が入り、なんとその心配が的中…。
 行く予定だった茶畑は、大雨が降っているというのです。
 そこで、急遽別の茶畑への変更をすることになり対応に追われました。
早速12人の茶摘のプロへ連絡とったりバタバタの一日の始まりとなりました。

 なんとか無事に、晴れた茶畑に12人の茶摘みの達人を投入し、
約150キロの上質の生葉を確保してもらいました。
 ドキドキする気持ちと、ちょっと心配な気持ちを抱え、朝7:30、まずは、名高い凍頂山へ向かって出発。

途中、921大地震の爪あとが少し見られました。
当時の大地震の凄まじさを、私達に強く訴えているかのようでした。
人間は大自然とともに共存しなければいけません。
バランスが崩れると、大惨事になる恐れがあります。
お茶の生産、茶畑との関係もまさに同じですね。

午前11時頃、凍頂山のふもとに到着。
凍頂山にようやく足を一歩踏み入れると、茶畑の中には、茶摘みの人の姿がほとんどなく、
一週間ほど前に摘まれただろうと思われる茎の断面がみられました。
たしかに、今年凍頂烏龍茶の一番目の春茶は大人気で、華泰茶荘店頭でも品切れ寸前でした。

肝心の今回の茶作りの原料は大丈夫だろうか?少し不安になりました。
気を取り直して、凍頂山の「上凍頂」「中凍頂」などで、茶畑を見学し、
写真もとりまぜた授業をたっぷり行いました。
生茶葉をさわっての品種解説や茶葉の製造、茶園管理など、
現地でしか体験できない授業内容でした。

凍頂山を降りたところで、
よく凍頂山とともに写真におさめられる美しい風景、麒麟潭に到着しました。
二年前に放送された「ガイアの夜明け」のオープニングにも登場したあの場所です。
澄んだ青空と緑濃い凍頂山を背景に、水鳥の声しか聞こえない静かな湖の写真は、
とても神秘的で心に残るものでした。

凍頂山は晴れに恵まれましたが、
雲の上にある、茶作りの目的地、杉林渓の茶畑はどうでしょうか…。
凍頂山を後にして、曲がっても曲がっても永遠に終わらない山道を進みます。
車も私達も頑張って、揺られながらも登り続けました。
                        店主 林 聖泰
≪続く≫

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