広東省は広い中国の中でも、一番食にこだわりのある地域といわれています。
食材も豊富で、「広東の人々はテーブルと椅子以外は全て食べる」と言われるほどです。
日本人の想像を絶する食材もあり、
料理の中身を知らないほうが幸せだと感じることもあります。
面白いのが飲茶です。
“一盅二件”といい、一つの茶壺(1種類の茶)と二皿の点心が基本です。
そして、一日三回、朝と昼と夜寝る前に飲茶を食べるのが習慣となっています。
朝の6時半から11時に食べる飲茶を”早茶(ザオ チャ)”といい、
昼は午後2時から5時で”午茶(ウーチャ)”、
夜の9時から夜中の2時に食べるのは”晩茶( ワン チャ)”と呼ばれています。
飲茶は「早くて、安くて、美味しい」いわば中国広東版のファーストフードですね。
小皿で色々な種類の飲茶を食べるのはとても楽しいことですが、
一つの料理に一つのソースがセットになっているので、皿を洗う人は大変です。
食事中と食後はお茶で口の中をさっぱりさせます。
広東省と言うと烏龍茶のイメージがありますが、地元では意外と緑茶やジャスミン茶が出てきたりします。
実は、広東省では地域によって飲むお茶が異なるのです。
現地で調査してみると大体地域によって三通りに分けられるようです。
①広東省北部の山岳地域に住む客家人は、緑茶が好きでちょっと焙煎が強めの緑茶を飲んでいます。
②東部の潮州市では、単叢(烏龍茶の一種)が好まれており、みんな小さな工夫茶器セットを持っています。
③南部の珠江流域の人々は、英徳紅茶を好みます。
これらのことは意外と知られていません。地元を訪れないと分からない事ですね。