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「新芽が多いほどよい烏龍茶」という誤解 | 華泰茶荘

「新芽が多いほどよい烏龍茶」という誤解

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 烏龍茶とは何ですか?

 全発酵の紅茶と不発酵の緑茶の間にある、半発酵のお茶のことを指します。

 中国茶は「六大茶類」と呼ばれる、緑茶、白茶、青茶、紅茶、黄茶、黒茶の基本6種に、花茶や工芸茶などを加えて分類されます。烏龍茶は学術上「青茶」と呼ばれ、花や果実に例えられるような豊かな香りを持つのが特徴で、製造技術上は、一番工程が複雑で進化したとされている種類のお茶です。
 
 青茶は、地域によって様々な香りと味を持ち、産地、品種、季節、職人技などによっても影響を受け、味も香りも多彩な個性豊かなお茶が生まれます。

 そんな多種多様な青茶に共通していることは、使用される原材料の茶葉が、緑茶のような新芽のみではなく、半分以上開いている状態(半開面)の成熟した茶葉を使用することです。つまり、青茶にはある程度に茶葉の成熟度が要求されるため、紅茶でシルバーチップを含むことを重要視するような基準(新芽が多く含まれるかどうか)が、品質と価格に必ずしも直結するわけではないのです。

 緑茶や紅茶のように新芽の多い原料を使用すると、「香りが命である」青茶にとって、肝心な香りばかりか、味までも物足りない結果になります。当然にお茶の分類が違うと、原材料への要求も異なってくるはずです。

 高山烏龍茶の茶殻に、柔らかい4つの葉が繋がったまま形を留めているのは、茶摘みの際の丁寧な仕事と、高い山で育った茶葉が上質で、茶葉に柔軟性があることをを証明しています。これは、本来、直接日照時間が長いと硬く、苦くなりやすい性質を持つ茶葉が、海抜の低い茶畑ではなく、高海抜の茶畑で収穫されたことの証でもあります。
 緑茶や、紅茶、烏龍茶の良し悪しについて、同じ基準で茶殻の外観から判断するのは、早計といわざるを得ません。

 子供の頃から、忙しい生活を送る現在でも、私は、毎年必ずに時間を作って数回に自社茶畑でお茶を作っています。個人的な趣味であることはもちろん、子供時代から教えられてきた「職人の感覚」を忘れたくないからです。緑茶、紅茶、青茶、花茶など、良いお茶を作ることには、それぞれ条件が異なることをご理解いただきたく存じます。
 繰り返しになりますが、お茶の良し悪しは、茶類によって正しい判断方法と基準が異なります。
 1000以上の種類があるといわれる中国茶は、実に奥の深い世界です。

 正しい中国茶鑑定方法に興味があるようでしたら、当店では、ニーズに合わせて多種多様な講習会を開催しております。

 また、凍頂烏龍茶、高山烏龍茶、阿里山烏龍茶、杉林渓烏龍茶、梨山烏龍茶、大禹嶺烏龍茶などは、山ごとにも個性があり、それぞれ魅力ある味わいと香りがあります。当店で販売されれている茶葉はすべて手摘みのもので、愛好家やプロの間でも高い評価を得ているものです。

 どのようなお茶が口に合うのは、個人の好みですが、私は、安全で質が高いお茶を提供するのが使命と考えています。
                           日本華泰茶荘 店主 林 聖泰

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