中国では4000年前から、お茶を飲む喫茶の習慣が始まったと言われています。
最初の「喫茶(生葉を食べる)」、南北朝時代の「羹飲(料理として使う)」、
唐代の「煮茶(お茶を煮る)」、宋代の「点茶(お茶を点てる)」、
明代の「泡茶(お茶を入れる)」まで、お茶の飲用方法は、時代とともに変化し続けています。
「薬用」、「食用」、「飲用」という段階を踏まえ、生理必需の要素に文化的要素を加えて、今の様な豊富多彩な茶文化を形成しました。
伝説によると、漢方薬の神様でもある神農氏は、お茶の効能を発見し、自らの解毒剤として用いました。たしかに、人類は、始めは、お茶の薬用効能に着眼し、その後香りや味を楽しむことになります。
つまり、喉の渇きなどの単純な生理面から、自分の志や心身修練などの精神や文化的側面にまで進化しているのです。
お茶の歴史は、飲み物の歴史でもあり、文化活動の歴史でもあります。
現代の茶芸は、健康促進、精神安定、藝術創造など、様々な側面を持ち、現代社会の縮図でもあると思います。
一杯のお茶、一つの世界。
<文・写真 林 聖泰>