お蔭様で「中国茶藝師I」の改訂版が出来上がりました。
本当に多くの方々に支えられ、応援をいただき心から感謝しています。
ありがとうございます。
1996年に東京で本格的な中国茶・台湾茶専門店をオープン以来、より多くの方に楽しみ方や正しい知識を知っていただくため、初級講座からインストラクター養成講座まで、数多くの講習会やイベントを開催し、その傍ら様々な雑誌やテレビの取材を受けてきました。
しかし、中国茶の入門書が溢れる現在でも、なかなか分かりやすく、信憑性が高いプロ向けの専門教材と茶芸写真の解説がある専門書はほとんど無い状態です。
日本初の「中国茶インストラクター年間講座」も今年で十年目を迎え、「茶藝師」「評茶師」の国家資格の取得を希望する方も年々増えています。
しかし、中級・上級の授業内容に合うプロ養成の教材が殆ど無かった為、生徒達から書籍の出版を切望する声が急増し、その声に後押しされるように、2004年から中国茶インストラクター協会の有志者と一緒にテキストの出版を計画しました。
最初の第一歩は、中国茶の正しい知識を普及するための「中国茶主産地図」の作成からです。内容の酷似したコピー品が出回るほど業界でも話題になったものですが、この本を手に取った方がより勉強しやすいように、今回最新版の「中国茶主産地図」を付録に付けました。
また、初版の出版以後も講師や読者・生徒達の意見を取り入れ、改定版では全体章の構成と参考資料の部分を改善し文章を読み易くしてみました。茶芸の予備知識を習得したい方にも、復習したい方にも、茶藝師講座の教材としても、専門家向けの読物としても対応できるよう、本の構成を工夫しました。
この十数年間、中国茶最高権威機関の「中国茶葉研究所」と研究者エリート集団の「中国茶葉学会」の協力の下、優秀な講師陣による充実した授業内容で、プロとして活躍できる中国茶藝師を数多く育ててきました。
この教材は単なる授業教材の翻訳ではく、実際にこの講座を受講した「高級茶藝師」と「茶藝技師」の感想もふまえ、日本向けにわかりやすく書き下ろしたオリジナルの茶芸教材です。
「中国茶藝師I」は、日本初の中国国家資格向けの中国茶教材であり、中国茶講師になりたい方やプロとして中国茶に携わる方にとって、深さ、広さ、正確さの三拍子そろった使いやすい専門書でもあります。
これは、日中両国の文化や勉強方法の違いを踏まえた上で、長年、中国茶インストラクターを養成してきた経験を活かし、中国茶芸の本質をより多くの日本の方に理解しやすいように、新たな試みで作られました。
急須・蓋碗・茶杯など茶器の持ち方や飲み方の基本から、美しい茶芸の基本動作、歩き方、入場と退場、お茶の運び方・出し方などの礼儀作法に至るまで、細かいカラー写真や詳しい解説と共に全て紹介されています。
もちろん、初級茶藝師の国家資格を合格するためには、「筆記」と「茶芸実技」と「茶名認識」三つの試験を合格しなければなりません。
<茶藝師職業倫理>、<茶業概論>、<中国名優茶>、<茶の包装と保存>、<茶器概論>の章には、茶藝師の必須な知識を専門家の角度から分かりやすく解説しています。
「筆記試験」でもあるが、初心者でも理解しやすくする為、生産現場の状況をできるだけ詳しく説明するほかに、最新の業界動向と科学的新発見なども網羅しました。
「茶芸実技試験」のために、
「緑茶茶芸」「花茶茶芸」「烏龍茶芸」3種の初級茶芸への習得でもあり、
日常生活中や仕事中や舞台演出にすぐ応用できるよう、
色々な茶芸の基本と礼儀作法の知識が入れています。
初心者が苦手な「茶名認識試験」のために、「茶葉図鑑」と「中国茶主産地図」が用意されました。
器をもっと理解できる<茶具図鑑>、外国人と交流する時に、日本語・中国語・英語の<中国茶関連用語>など内容も役に立つと思います。
また、日本の読者のために、深い「コラム」、詳しい「図解初級茶芸」・「茶芸の基礎」、誰も教えられない「礼儀作法」、そして便利な「茶具・茶葉図鑑」など、極力多くの情報と資料を加えるようにしました。
読みやすさを追求し、大きめのA4サイズとフルカラーの写真にこだわった為、写真や図面のレイアウトや出版コストも苦労しましたが、中国茶インストラクター協会のメンバー達と友人の松下さんの校正とDTP出版の協力により、理想に近い形に仕上げることができました。
また、国家資格「中国茶藝師」のプログラムはこの10年来、中国茶業界No.1の陳宗懋教授、元中国茶葉研究所副所長の兪永明教授、浙江大学茶学系学部長の童啓慶教授、国際中国茶茶文化協会の程啓坤教授、元「茶博覧」雑誌編集長の阮浩耕先生、著名な茶文化学者の于良子先生、楊業軍所長、江用文副所長、茶芸専門家の徐南眉先生など大勢な先生に、大きなお世話になりました。
長年の努力によって、お蔭様で日本でも優秀な中国茶専門人材が育成され、中国本土でも極めて少ない、「中国茶藝師」の指導者になれる「茶芸技師」まで誕生しました。
国境を越えて、多くの先生と読者から様々なご指導とご協力をいただき、本当に感謝しています。
これからも引き続き日々頑張りたいと思っています。
是非、ご声援のほどよろしくお願いいたします。
著者代表 林 聖泰