食品不祥事の打開策「顔が見える取引」

最近、有名ホテルやデパートなどの食品関係の不祥事が相次いで発覚し、
大きな波紋を呼んでいます。一体なぜ、有名企業が暖簾を汚すようなことに
手を出すのでしょうか。結果、消費者は高いお金を支払い、不利益の損失を
被り、場合によっては健康すら影響されるかもしれません。

もちろん、過当競争、利益追求など、様々な理由があると思いますが、
安易に「安全・安心・美味」のモットーから離れることは大きなミスであると
思います。なぜなら、食べ物は人間の体に入るものであるため、より厳しい
安全安心基準で消費者を守ることは当たり前です。輸入時に厚労省から
厳しいポジティブリスト検査や自主検査が求められる理由だと思います。

老舗のブランドは、広告ではなく「安心・安全・美味」を守り続けて
努力してきた企業努力の結果です。看板を守るために、私の祖父が洪水に
やられた家一軒分に相当する高額茶葉を毅然と破棄したという話も
よく聞かされました。老舗に関わらず、商売は利益より信用が第一と子どもの
頃から教えられて来ました。

さらに、産地直送やネット通販や巨大資本企業が直面する現代社会の流通
問題は、天候不順などの農産品特有の問題に上手く対応できませんでした。
消費者の代わりに、厳しい目線で「安全・安心・美味」を見張るのは、
百年老店「華泰」こその使命と自負しています。華泰茶荘では、天気、産量、
価格の問題を乗り越え、年間を通して品質を一定以上に保ち、安心して飲める
品物を提供するように心がけています。チャンスがあれば、是非台湾の工場や
本店に足を運んで倉庫や工場を見学して下さい。大量にストックされた茶葉に
圧倒されることとと思います。

茶師もスタッフもわたしも、如何に「安全・安心・美味」の品物を流行に
負けずに提供できるか、日々研究や努力をしています。もちろん、自社の茶畑の
他に、三代に渡り茶葉生産取引を続けてきた農家に、心から感謝しています。
伝統的な茶産業に対して、強い信念と使命感を持つ農家の仲間こそは「安全・
安心・美味」の華泰名茶ができた最大の原動力とも言えます。

日本では、クリック一つで価格だけで判断し、安易に仕入れることの出来る
時代になりました。しかし、お米でもお茶でも魚でも、職人のこだわりに
よって品物の出来は全く異なります。パソコンの画面に向かうのではなく、
生産現場に常に足を運び、自分の目で見極めるのは品質確保の正しい道であると
思います。

日本でも台湾でも中国でも食品不祥事の有効な打開策として、同じ強い信念を
持つ生産者の仲間と「顔が見える取引」が大事だと今回の事件でも実感しました。

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