夜空の星を見上げるたびに思います。
人は、別れによって終わるのではなく、受け取った想いによって、もう一度歩き出せるのだと。
台湾茶に人生を捧げ、茶業界に確かな足跡を残した父が、静かに旅立ちました。
でも不思議と、胸に残っているのは悲しみだけではありません。
父が守り続けた「百年の看板」と、最後の時間の中で私に手渡してくれた、もう一つの宝物——
それは、医療と介護の現場で出会った人たちとの温かな縁でした。
在宅ケアの一年間で、私は日本と台湾の医療・介護の違いを肌で学びました。
機器、設備、連携、制度、そして何より「その人らしさ」を守るための工夫。
現場には課題もたくさんありました。
けれど同時に、誰かを支えようとする手、諦めない知恵、やさしさの繋がりが確かにありました。
気づけば心の奥に、強い言葉が生まれていました。
「できることがある。つなげられるものがある。」
私は決めました。
百年老舗の茶商として伝統を守りながら、父が繋いでくれた医療・介護の仲間たちとともに、
「日本と台湾を結ぶ架け橋」になることを。
お茶は、香りと味わいで心をほどき、お湯の温度で人を整えます。
医療と介護は、手の力で身体を支え、言葉で尊厳を守ります。
世界は違って見えても、根っこにあるのは同じ。
「人を慈しむ心」です。
私はこの縁を、ただの思い出にしません。
学びに変え、仕組みに変え、安心に変えていきます。
そしていつか、誰かが「ひとりじゃなかった」と思える場面を、ひとつでも増やしたい。
星空の下で、静かに誓います。
父が残してくれた「百年の縁」を、次の未来へ。
今から、自分人生の第二章が始まります。
店主 林 聖泰

