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食後の一杯のお茶−−林華泰茶行の歴史と、台湾の今

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35度の台湾へ帰る。
牛肉麺とマンゴー、そして食後の一杯のお茶

「やっぱり台湾だな。」

飛行機を降りた瞬間、35度を超える熱気が全身を包み込みました。

今年の台湾は朝から強い日差しが照りつけ、午後になると突然空が暗くなり、
激しいゲリラ豪雨が街を洗います。まさに南国らしい夏。
近年は35℃を超える日も珍しくなく、午後の雷雨も夏の風物詩になっています。

今回は、三番目の叔父が林華泰茶行の歴史を紹介するテレビ番組の収録と、新書の発表会に参加するため、一時帰国しました。

1883年創業の林家の茶業は、台湾茶の歴史そのものとも言える歩みがあります。

その歴史が、テレビや書籍という新しい形で多くの人へ伝えられていくことは、一族の五代目として、本当に感慨深い出来事でした。

一方で、日本から台湾への便は満席のLCC。
機内は旅行客や帰省客でいっぱいでした。
ようやく台湾へ着いた頃には、暑さも重なってさすがに少し疲れ気味です。

そんな時、真っ先に向かったのは、やはり台湾らしい食事。
熱々の牛肉麺。
そして、今が旬の甘く香り高いマンゴー。

特別な料理ではありませんが、この二つを口にすると、
「帰ってきた」という実感が湧いてきます。
しっかり食べて体力を回復し、暑い台湾の夏を乗り切る準備です。

そして、食事の最後には、やはり一杯のお茶。
どんな高級料理にも代えがたい、この時間があります。

牛肉麺の余韻をやさしく整え、マンゴーの甘さを引き立て、心まで落ち着かせてくれる。
暑い日だからこそ、冷たい飲み物を一気に飲むのではなく、ゆっくりとお茶を味わう。
茶を飲むと、不思議と呼吸が深くなり、気持ちが整っていきます。

「人生如茶(人生は茶のごとし)」
父から教えられ、私自身も多くの方へ伝えてきたこの言葉を、
台湾へ帰るたびに改めて実感します。

一杯のお茶は、喉を潤すだけではありません。
旅の疲れを癒やし、家族の歴史を思い、明日への力を与えてくれるものです。

今回の帰省では、林華泰茶行の歴史を改めて見つめ直しながら、台湾茶文化の未来についても、多くのことを考える時間になりそうです。

暑い台湾の夏。
牛肉麺とマンゴー、そして食後の一杯のお茶。
私にとって、それは何よりも贅沢で、何よりも幸せな「帰郷の一杯」なのです。
(林華泰茶行・華泰茶荘 五代目店主 林 聖泰)

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