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2日間で34種類を飲み比べる−−台湾茶・中国茶プロ養成集中講座

目次

速い授業を「復習できる学び」へ
新たにnote復習用読本を制作

白い皿の上に並ぶ、形も色も大きさも異なる茶葉。
細く伸びた茶葉、丸く固く揉まれた茶葉、深い黒褐色の茶葉、
大きな葉の姿を残した茶、年月を経た緊圧茶――。

同じ「お茶」という言葉で呼ばれていても、その姿には、
品種、産地、季節、製茶工程、発酵、焙煎、保存状態など、
さまざまな情報が刻まれています。

今回の「台湾茶・中国茶プロ養成集中講座」では、
二日間で合計34種類の茶を取り上げました。

茶葉の名前や特徴を確認しながら、外観を観察し、香りを確かめ、実際に飲み比べる。
そして、自分の手で淹れ、味の変化を体験する。

知識を覚えるだけではなく、目、鼻、舌、手を使って学ぶ、濃密な二日間となりました。

受講生の皆様が最後まで熱心に取り組み、積極的に質問し、お互いの感想を交換してくださったおかげで、無事に全日程を終えることができました。

講師として、心より御礼申し上げます。

34種類を飲むことが目的ではない

「二日間で34種類も飲んだのですか」
そう聞くと、数の多さに驚かれるかもしれません。

しかし、今回の目的は、できるだけ多くの茶を飲むことではありません。
大切なのは、複数の茶を並べて比較することで、単独では見えにくい違いを体感することです。


たとえば、同じ烏龍茶でも、

  • 細長い条形の茶
  • 丸く固く揉まれた球形の茶
  • 発酵を軽くした清香系の茶
  • 焙煎によって熟香を引き出した茶
  • 蜜香や果香を特徴とする茶

では、茶葉の姿も、香りも、滋味も異なります。
同じ紅茶であっても、品種、産地、萎凋、揉捻、発酵、乾燥の違いによって、花香、果香、蜜香、甘香、熟香など、さまざまな表情が生まれます。

一種類だけを飲めば、その茶のおいしさは分かります。

しかし、複数の茶を近い条件で飲み比べることで、
「こちらのほうが香りは高いが、味は軽い」
「外観は似ているが、口当たりと余韻が違う」
「焙煎香の奥に、品種由来の香りが残っている」
といった違いが、少しずつ見えるようになります。

これが、飲み比べによる学びの大きな意味です。

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白い皿に並べた茶葉の比較写真

茶名と特徴を確認しながら、形状、色沢、葉の大きさ、揉捻、焙煎、保存状態などを比較しました。

お茶を「知っている」から、
「説明できる」へ

中国茶や台湾茶を楽しむだけであれば、
「香りがよい」
「甘くておいしい」
「飲みやすい」
という感想でも、十分にお茶を楽しむことができます。

しかし、お客様に茶を販売する方、茶館や飲食店で提供する方、茶会を開催する方、講師として教える方には、もう一歩踏み込んだ理解が必要です。

たとえば、お客様から、
「この二つの烏龍茶は、何が違うのですか」
「発酵が強い茶は、どのような味になりますか」
「焙煎した茶と、焦げた茶は違うのですか」
「この茶葉には、どのような淹れ方が向いていますか」
と尋ねられたとき、専門用語を並べるだけでは、茶の魅力は十分に伝わりません。

自分が正しく理解したうえで、相手の経験や関心に合わせ、分かりやすい言葉で説明する力が必要です。

そのため今回の講座では、六大茶類、製茶工程、品種、産地、流通、品質評価などの基礎理論と、実際の茶葉を結びつけて学びました。

茶葉を目の前にすると、教科書の言葉が、初めて実感を伴ってつながります。
「揉捻とは、茶葉の形をつくるだけではない」
「発酵の違いは、香りだけでなく、水色や口当たりにも現れる」
「同じ品種でも、産地や製法によって表情が変わる」
知識と感覚が結びついた瞬間に、学びは少しずつ自分のものになっていきます。

限られた二日間だからこそ、授業のペースは速くなる

今回の集中講座では、二日間という限られた時間の中で、
できるだけ効率よく、台湾茶と中国茶の全体像をお伝えしました。
六大茶類、製茶工程、品種、産地、流通、保存、品質評価、評茶、抽出実技。
さらに、二日間で34種類の茶を比較します。

そのため、授業の進行はどうしても速くなります。
特に、初めて本格的に台湾茶や中国茶を学ぶ方にとっては、
その場ですべてを理解し、完全に消化することは簡単ではなかったと思います。

講座中には理解できたつもりでも、帰宅してから振り返ると、
「発酵と酸化は、どのように整理すればよいのだろう」
「同じ烏龍茶なのに、形や香りが違うのはなぜだろう」
「茶葉の外観から、どこまで製法や品質を読み取れるのだろう」と、
新しい疑問が生まれることがあります。

しかし、それは決して悪いことではありません。

むしろ、講座で得た知識が、自分の中で動き始めた証拠でもあります。
一度ですべてを覚えるのではなく、実際に茶を淹れ、飲み、
講義内容を振り返りながら、少しずつ知識と感覚を結びつけていくことが大切です。

今回の新しい改革――
note復習用読本を制作

そこで今回からの新しい試みとして、受講生の皆様が講座終了後にも復習できるよう、講義内容を整理したnoteの復習用読本を制作しました。

集中講座では、講師の説明を聞きながら、茶葉を観察し、香りを確かめ、実技にも取り組まなければなりません。

すべてをその場で書き留めることは難しく、授業中には理解した内容も、数日後には曖昧になってしまうことがあります。

復習用読本では、

  • 六大茶類の考え方
  • 製茶工程と品質の関係
  • 発酵、酸化、揉捻、焙煎
  • 茶葉の外観を見るポイント
  • おいしく淹れるための基本
  • 台湾茶・中国茶を選ぶ視点

などを、講座終了後にも振り返れるように整理しています。

通常は有料で公開している記事ですが、アンケートにご回答いただいた受講生の皆様には、
復習特典としてお読みいただけるようご案内しました。

講座中に十分に書き留められなかった部分や、理解が曖昧だった箇所を、
ご自身のペースで何度でも振り返っていただければと思います。

これからは、講座を開催して終わるのではなく、
受講後の復習や継続的な学びまで支えられる仕組みを、少しずつ整えてまいります。

図表1|二日間の講座から、継続的な学びへ

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「受講して終わり」から「復習して身につける」学びへ

受講生の希望を取り入れて、
一緒につくった二日間

今回の集中講座では、協会指定の中級講座に相当する内容を基本の軸としながら、
事前に受講生の皆様から寄せられたご希望や、授業中の質問も、可能な限り取り入れました。

茶葉の品質を見分ける視点を身につけたい方。
製茶技術や発酵について詳しく知りたい方。
茶館、茶店の経営や販売について聞きたい方。
自宅や教室で、安定しておいしく淹れる技術を学びたい方。
台湾茶と中国茶を、仕事として正しく伝えたい方。
参加された目的や経験は、一人ひとり異なります。

あらかじめ決められた内容を一方的にお話しするだけではなく、皆様の反応や理解度を確認しながら、必要な部分には実例や説明を加えました。

講師から受講生へ、知識を一方向に渡すのではありません。

参加者の質問や経験によって、講座そのものも深まっていきます。
それが、対面講座の大きな魅力です。

受講生の皆様が積極的に参加してくださったからこそ、
二日間で34種類という多くの茶を扱いながら、
無事に講座を終えることができました。

自分で淹れることで、初めて見えてくること

午後の実技では、受講生自身が茶器を扱い、自分の手で茶を淹れました。
茶葉の量、湯温、抽出時間、注ぎ方、茶器の温め方。
同じ茶葉を使っても、条件が少し変わるだけで、香りや味わいは変化します。
一煎目が濃くなった場合は、二煎目の時間を短くする。
香りが十分に引き出せなかった場合は、湯温や茶器の温度を見直す。
茶葉が開く速度を見ながら、次の抽出を調整する。

こうした判断は、文章を読んだだけでは身につきません。

実際に淹れ、飲み、考え、もう一度試すことで、少しずつ自分の技術になっていきます。
正解を一つ覚えるのではなく、目の前の茶葉に合わせて考える。
それが、プロとして茶を扱うための大切な基礎です。

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受講生が各テーブルで実技に取り組む写真

自分で淹れ、飲み比べ、条件を調整する抽出実技。
知識を技術へと変える時間です。

図表2|34種類の茶を、どのように見比べたのか

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一つの特徴だけで品質を判断するのではなく、
外観、香り、茶湯、滋味、余韻、葉底を総合して考えることが、評茶の基本です。

五代目として、父との約束を次の世代へ

私は台湾の茶商の家に生まれ、幼い頃から茶葉、茶箱、茶の香りに囲まれて育ちました。

五代にわたって受け継がれてきた茶業の中には、書物だけでは残せない知恵があります。
茶葉の選び方。
季節による品質の違い。
製茶のわずかな変化を見抜く感覚。
仕入れ、保存、流通、販売の現場で培われた判断。
そして、お客様の好みを聞き、その方に合う一杯をご提案すること。
こうした経験は、言葉にして伝えなければ、いつか失われてしまいます。

私には、父と交わした約束があります。

自分が長年の茶業を通じて学んできた経験や知識を、自分の中だけにとどめず、
次の世代へきちんと伝えていくことです。

講座を通して皆様にお伝えしたいのは、茶の名前や専門用語だけではありません。
なぜ、この香りが生まれるのか。
なぜ、この製法が必要なのか。
どのような基準で品質を見るのか。
その知識を、どのように相手へ分かりやすく伝えるのか。

確かな知識と技術を身につけた方が増えれば、台湾茶や中国茶について、
曖昧な情報や思い込みではなく、本来の魅力を、より正確に伝えられるようになります。

五代目店主として、また両協会の理事長として、私自身も学び続けながら、
これまで培ってきた経験を、できる限り丁寧にお伝えしていきたいと思います。

それが、父との約束を果たすことにもつながると考えています。

「修了」は、茶の探究の始まり

二日間で34種類の茶を飲み比べ、茶葉を観察し、香りを確かめ、自分の手で淹れる。
決して軽い内容ではありませんでした。

それでも、受講生の皆様が最後まで熱心に取り組み、多くの質問やご意見を寄せてくださったおかげで、無事に全日程を終えることができました。心より感謝申し上げます。

受講証明書を受け取ることは、学びの終点ではありません。

一杯の茶の背景にある、産地、品種、季節、製茶技術、作り手の判断を、
これから少しずつ読み解いていくための出発点です。
昨日までは同じように見えていた二つの茶葉の違いが、
ある日突然、見えるようになるかもしれません。

これまでは「よい香り」とだけ感じていた一杯の中に、
品種、発酵、焙煎、産地の特徴を見つけられる日が来るかもしれません。

その小さな発見の積み重ねが、やがて確かな知識と技術になります。

次の一杯、次の学びへ

今回のアンケートでは、
「評茶や品質について、さらに専門的に学びたい」
「台湾茶の香りを、風味輪を使って表現してみたい」
「茶の歴史や産地を、旅をするように学びたい」
というお声もいただきました。

今回の講座で興味を持った分野を、もう少し深く学んでいただけるよう、
これからの講座もご用意しています。

すべてに参加する必要はありません。
ご自身の関心や学びの段階に合うものから、次の一杯につなげていただければと思います。

楽茶塾追加開催|9月27日(日)午後

楽茶塾「蜜香の秘密と熟成の科学」

午前の部が満席となり、キャンセル待ちの方も多かったため、午後の部を追加開催することになりました。
東方美人茶、蜜香烏龍茶、蜜香紅茶を飲み比べながら、小緑葉蝉が生み出す蜜香、発酵、焙煎、保存、熟成による風味の変化を読み解きます。
品評会受賞茶や、年月を重ねた老茶も取り上げます。
日時:9月27日(日)14:30~16:30
▼詳細・お申し込み
https://www.chinatea.co.jp/shop/products/detail/3432

8月5日(水)夜|WEBライブ

台湾茶風味輪・国際評茶師 ミニ体験講座

台湾農業部「茶及飲料作物改良場」の台湾特色茶風味輪2.0とは、どのようなものなのか。
評茶では、香りや味を、どのような言葉で整理し、表現するのか。
「初級台湾国際評茶師」本講座の学びを、気軽に体験していただくためのオンライン講座です。
▼詳細・お申し込み
https://www.chinatea.co.jp/shop/products/detail/3431

10月17日(土)・18日(日)|第4期

初級台湾国際評茶師 資格認定講座

台湾茶の品種、産地、製茶工程、風味輪2.0、評茶方法を、理論と実技の両面から学びます。
単に茶名を覚えるのではなく、茶葉を観察し、香りと味を整理し、自分の言葉で表現する力を養う講座です。
会場:渋谷・対面授業
▼詳細・お申し込み
https://www.chinatea.co.jp/shop/products/detail/3430

自宅から旅する|
WEB茶旅・茶文化講座

茶を理解するためには、茶葉だけでなく、その背景にある土地、歴史、交易、茶器、文化を知ることも大切です。
華泰茶荘と両協会では、シルクロード、雲南、チベット、台湾、中国各地の茶産地、東西の茶文化交流などをテーマに、旅をするように学べるWEB講座や記事も企画しています。
一杯の茶から、地図と歴史を広げていく講座です。

▼お茶と茶器のアジア探検記
――五代目と歩く、四百年の東西交流
https://www.chinatea.co.jp/20260627-web-semi-special/

▼一杯のお茶の奥義を求めて
シルクロード・チベット・雲南をめぐる中国茶旅探検記
https://www.chinatea.co.jp/chatea-travel-2026/

図表3|次の学びへの案内図

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次の一杯、次の学びへ

学び方は一つではありません。
自分の関心から、次の一杯へ。

また、次の「茶縁」で

茶を学ぶほど、分からないことは増えていきます。
しかし、その「分からない」があるからこそ、次の一杯が楽しみになります。

二日間の集中講座は終わりましたが、皆様の茶の探究は、ここからが本番です。
今回、お茶が結んでくれた大切な「茶縁」に、心より感謝申し上げます。
受講生の皆様、本当にお疲れ様でした。

また講座や茶会、そして旅するように茶を学ぶ時間の中で、
皆様と一杯のお茶を囲める日を楽しみにしております。

以茶会友――茶をもって友と会う。

華泰茶荘 五代目店主
非営利一般社団法人 中華茶講師協会 理事長
NPO中国茶文化協会 理事長  林 聖泰

2026/11/14-15
NPO中国茶文化協会認定「中級資格」♪
土日2日間集中【台湾茶・中国茶のプロ養成講座】

開催日 : 2026/11/14-15(土日)
時 間 :  10:00〜17:30 
講 師 : 高級茶藝技師・高級評茶師 5代目店主 林 聖泰
場 所 : 東京都渋谷区道玄坂1-18-6 3F 華泰茶藝館
https://www.chinatea.co.jp/shop/products/detail/3429

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